防災リュックの中身リストは、検索すればいくらでも出てきます。水、食料、ライト、ラジオ、モバイルバッテリー、救急セット、軍手、簡易トイレ……全部正しいのですが、リスト通りに詰めると、たいてい持てない重さになります。
実際に起きるのはこうです。防災の日に気合いを入れて詰める。持ち上げてみる。重い。玄関に置く。そのまま1年触らない。「重くて持てないリュック」は、無いのと同じです。
原因は中身の選び方ではなく、順番にあります。多くの人は「必要なものを入れてから、重さを確かめる」順で作ります。これだと減らす作業が最後に来るので、何を捨てるか決められません。逆にすればいい。先に背負える重さを決めて、その中に何を入れるかを競わせる。
目安として、体重の1割以下がひとつの線です。体重60kgなら6kg。これは避難所まで歩くことを前提にした数字で、走る想定なら もっと軽くする必要があります。この記事では、その重さの中に何を入れるかを決めるための基準を3つ置きます。
防災リュック、入れる前に決める3つ

1. 先に上限の重さを決める
体重の1割以下が目安。60kgなら6kg。決めてから中身を競わせると、捨てる判断ができる
2. 重い物ほど背中側・上に入れる
水とバッテリーが一番重い。下や外側に付けると重心が離れて、体感の重さが跳ね上がる
3. 2階建てにする(1次持ち出し / 2次)
全部を1つに入れない。最初の1個は軽くして、残りは家に置く2個目へ回す
リュック本体と水で、総重量はほぼ決まる
中身を細かく削るより先に、効くのは2つだけです。
ひとつはリュック本体の重さ。本体で1kg使うと、6kgの枠のうち1kgが中身に回せなくなります。防災用として売られているものでなくても、軽い登山用リュックで代わりになります。
もうひとつが水。500mlのペットボトルは1本あたり約500gで、これが最重量物です。何本入れるかで総重量がほぼ決まるので、まずここから逆算するのが早い。3本で1.5kg、6本で3kg——6kgの枠なら、水だけで半分が消えます。
だからこそ2階建てが効きます。最初に持ち出す1個は水を3本に抑えて軽くし、残りは家に置く2個目に回す。全部を1つに詰めようとすると、必ず持てない重さになります。
「持てない」は、詰めてから気づくと直せない
この順番にする一番の理由は、減らす判断が途中でできることです。上限を先に書いておくと、5kg目を入れるときに「これを入れるなら、何を出すか」という問いが自然に出てきます。最後に持ち上げて重いと気づく作り方だと、この問いが出ないまま完成してしまいます。
もうひとつ、誰が背負うかを先に決めてください。家族分をまとめて1つに入れると、その1つが必ず持てない重さになります。子どもには子どもが持てる重さで別に作る。中身が重複してもかまいません。分けるほうが、結果的に全部持ち出せます。
作ったあとは、玄関で1回背負って、そのまま外に出て少し歩いてみるのがおすすめです。部屋の中で持ち上げただけでは、肩に食い込むかどうかは分かりません。歩けなければ、その場で減らす。これを1回やっておくだけで、リュックの中身は現実的な重さに落ち着きます。
そして点検日を決めること。9月1日でも、防災の日でも、誕生日でもかまいません。年に1回開けて、期限と季節(防寒か防暑か)を入れ替える。開ける日が決まっていないリュックは、たいてい期限切れのまま置かれています。
わが家の防災リュック重量配分シート(そのまま使えます)

重さの配分を書き出すところまでやるなら、印刷して使えるシートを用意しています。


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