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備蓄が切れる原因は、たいてい災害ではありません。期限切れです。5年保存の非常食セットを買って、棚の上に置いて、次に開けるのが5年後——そのときには賞味期限が過ぎている。買ったこと自体を忘れている場合もあります。
これは意志の問題ではなくて、置き場所と使う機会が日常から切り離されていることが原因です。特別なものとして買うと、特別な日が来るまで触りません。そして特別な日は、多くの場合、期限より後に来ます。
そこで出てくるのがローリングストックという考え方です。普段食べているもので、常温で置けるものを少し多めに買い、食べたら食べた分だけ買い足す。棚の中身は常に入れ替わるので、期限を気にする作業そのものが消えます。
ただし「普段のものを多めに」だけでは、何を多めに買えばいいのかが決まりません。冷蔵が要るものを増やしても停電で失われますし、大袋を買っても開けたら数日で終わります。先に選ぶ基準を3つ置いてから、それを満たすものを見ていきます。
備蓄が続く食品を選ぶ3つの基準

基準を満たす定番
常温で置けるレトルトのたんぱく質で、100gが6袋に分かれています。基準①と③に当たるもので、普段の晩ごはんの一品としてそのまま出せるため、月に1袋食べて1袋足す、という回し方がそのまま成立します。味が塩味に固定されるので、これ1つで献立を埋めようとせず、主食と組み合わせる前提で持つほうが続きます。
乾麺は常温で長く置けて、5袋に分かれているので基準②と③を両方満たします。一方で、茹でるのに水と火が必要なので、停電・断水の当日に食べるものではありません。ここは「日常で回す主食」として持ち、火を使わずに食べられるものは別に少し足す、という役割分担で考えてください。
菓子ですが常温で置けて135gが3袋に分かれており、基準①③に当たります。備蓄で見落とされやすいのが甘いもので、水と主食だけを揃えると食事が急に単調になります。日常ではおやつとして減らしながら、減った分を足していく枠に向いています。糖分が気になる場合は量を決めて置いてください。
水だけは、この基準の外に置く
ここまでの3つの基準は食品の話で、水には当てはまりません。ローリングストックで回すには量が多すぎるからです。1人1日3リットルを3日分とすると9リットル、4人家族なら36リットル。これを普段の生活で飲み切って買い足すのは現実的ではありません。
なので水だけは例外として、長期保存水を別枠で買うのが合理的です。5年・7年保存のものが2リットル6本で千円台からあります。ここは「日常で回す」対象にせず、置いたまま期限だけカレンダーに入れておく。回すものと、置いておくものを分けると、管理する対象がぐっと減ります。
始め方は、いま冷蔵庫ではなく棚に入っている常温の食品を数えるところからです。多くの家で、すでに何日分かは持っています。ゼロから買い揃える話ではなく、普段の買い物をひとつ多くするだけで足りることのほうが多い。
そして、買った日ではなく食べた日を記録してください。ローリングストックが崩れるのは、買い足しを忘れたときです。食べたことに気づける仕組みさえあれば、この方法は勝手に回り続けます。
ローリングストック在庫チェック表(そのまま使えます)

何をどれだけ持っているかを1枚で把握したい方へ
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